110フィルムは二度死ぬ
2015-09-03


110フィルムという規格がありましたが、
それほど普及しないうちにカメラメーカーから見限られ、
フィルム自体の製造販売もいつのまにか終了していました。
ところが、数年前にLomographyとEagle Enterprisesという二社が、
世の中の物好きのためにこれを「復活」し、
そのおかげで、私も"ローライ Rollei A110"という
約40年前のちょっと個性的なカメラを入手して使うことができました。
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しかし物好き相手では商売が成り立たないらしく、
近々、この規格が完全に過去のものとなるのは必至の情勢のようです。
池袋の大手カメラ屋さんも、フィルムコーナーの縮小にともない、
これまで少し置いていた110フィルムの取り扱いを完全に止めてしまいました。
今では、通販を利用して手に入れるしか方法がありません。
先日購入した次のフィルムに、私は三千円(送料込み)も払いました。
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このフィルム、イメージサイズは35mmフィルムの1/4の面積ですから、
高画質はのぞめません。
また、カートリッジの構造が複雑なので製造コストが高いです。
そして、対応するカメラは古〓い製品なので、まともに使える個体は少ないです。
やはり画質の割に値段が高く、対応機種が少ないフィルムって売れないんですね(まあ当然か)。

このように死期の迫った製品に、私は何故か眼が向いてしまいます。
それに実は、このフィルムを慌てて購入した理由があるんです。
次のカメラで使うためです。
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"ペンタックス Pentax auto 110"ですね。35年ほど前の製品です。
このカメラ、小さいけれども一眼レフです。
半年ほど前に、ひと山二千円ほどで入手したジャンク品数台のうちの一つです。
動作チェックしてみると一応動きそうなので、
いずれ試写するつもりでいましたが、早くも半年経ちました。
そうこうするうち、110フィルムが無くなりそうになったので、
慌てて試写の段取りをつけたわけです。

試写に当たって私が気にするのは、
・ファインダーの見え方
・ピントリング(距離環)を回すフィーリング
がメインです。
カメラを操作することが自己目的化しているので、
本来重要なはずの「画質」等は、実は二の次にしちゃいます。

それで、まず手始めにファインダーの掃除をしました。
ゴミだらけのファインダーでは撮る気が萎えます。
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極細綿棒で、スクリーンに付着した大きなゴミを取りました。

次のように、結構きれいになりましたよ。
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ピント合わせがスプリットイメージ方式です。小さいカメラなのに生意気ですね。

次に、軽すぎるヘリコイドを調整しました。
現状はスカスカで、あまりに手応えがありませんでした。
まず、鏡胴のイモネジを3個外して、距離環を取ると、
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次のように内側に銀色のヘリコイドが見えます。
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この部分の汚れを綿棒とティッシュで拭き取った後、
ここに私好みの少し硬めのグリスを塗ります。

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[カメラには名前あり]

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