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前回)からの続きです。
今回、分解と再組み立てに挑戦した「ライカIIIf」は、
部品の欠落や破損はなさそうなので、すべての部品を清掃して組み立て、
そして、しかるべき調整をすれば正常に稼働するはずです。
ところが、その簡単なはずの事が、すんなりいかないのが世の常。
まずぶち当たった壁が「距離計」でした。
去年、
別記事の「ライカIIf」で取り上げた事がありましたが、
バルナックライカのファインダーは、距離計が別になっています。
今回の分解でこの仕組みも理解できました。
この写真でシャーシ上部の手前の黒いブロックはプリズムです。
これで50mm用の視野ファインダーの光軸を左にずらして、
距離計用ファインダーと近づけているのですね。
そうせずに覗き窓が離れたままだと、
あっちを見、こっちを見になるので、さすがに撮影するのに不便です。
黒いブロックの向こう側に距離計が付いています。
これを次のように本体から外して、手の届く範囲は清掃しました。
ファインダーがクリアになると、気持ち良く撮影できます。
ところが、仮組み立ての段階でファインダーを覗いたところ、
クリアにはなったものの、なぜか距離計の二重像が縦にずれていました。
「あれ?最初からこんなにずれていたかな?
まあ、縦ずれ調整は
以前にやったことがあるから大丈夫。
対物側のプリズムガラスを、ドライバーで左右に回して調整すれば良いのだ」
と、次の写真のように経験済みの作業を今回もやってみましたが、
それでは全然調整しきれないほどのずれでした。
距離計をシャーシに取り付けるときにずれたのでしょうか。
精密機械だから、ちょっとでも歪んで取り付けると、
大きなズレに結びつくのかもしれません。
などと考えながら色々チェックしてもラチがあかず。
ギブアップして二、三日ほかっておきました。
それでも分解したままの部品は場所をとるし邪魔なので、
ダメなままでも、一応きれいにして組み立てておこう、
気が向いたら、後日また挑戦しようと思いました。
そして、距離計の中のハーフミラー(次の写真の白い点線部分)、
これを掃除するつもりで綿棒を、この写真のように突っ込んだら、
何か「カチャ!」と音がしました。
その瞬間、「これか!」と原因を発見。
分解と組み立ての途中で、ハーフミラーが本来の位置からずれてしまったようです。
「これを直せば大丈夫そうだな」と期待し、
ハーフミラーの端部に瞬間接着剤を点付けし、
本来の位置と思われるところに押し込み接着しました。
原因がわかり、対策を講じればあとは順調にいきます。
次のように壁に目印を貼り付け、三脚にセットしたカメラの距離計を覗きました。
そして、目印の二つの像が水平に並ぶように調整しました。
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