映画「甘い生活」(1960年、監督フェデリコ・フェリーニ)
に出演したアニタ・エクバーグが今年の始めに亡くなりました。
私はフェリーニ監督のファンなので、
彼の映画は名画座で見たり、ビデオに録画したりしています。
確か「甘い生活」も録画してあったはず、と探し出して、久しぶりに見てみました。
アニタの演ずるのは、アメリカ女優のシルビアというセクシーで大柄な女性。
いかにもフェリーニ好みの女です。
彼女が1950年代のローマにやって来て、高級ホテルや街中で奔放に振る舞います。
彼女の相方は、マルチェロ・マストロヤンニ扮するローマの新聞記者マルチェロ。
作家志望ながら、心ならずもゴシップ記者としての生活を送っている、という設定です。
(そして、心ならずも沢山の女にもててしまう役回りです)
この映画を見ると、いくら女にもてて享楽的な生活がおくれても、
そこに心の充足を見出すことはできないのだ、と分かったような気?になります。
シルビアの奔放な振る舞いの中で、
最も有名なのがマルチェロとトレヴィの泉で戯れるシーンです。
こんなシチュエーションでは、どんな男も彼女の虜になってしまいますね。
そのシルビアのスキャンダラスな写真を撮ろうと、
多くのカメラマンが彼女を付け回します。
今で言うパパラッチです。
マルチェロの仲間のカメラマンの名前は、「パパラッツォ」で、
実は「パパラッチ」なる言葉は、この映画から生まれたそうです。
映画の始めの方に、シルビアを乗せた飛行機がローマの空港に到着する場面があります。
彼女が飛行機のタラップに降り立つと、大勢のカメラマンが殺到します。
ここからが本題。カメラマン達の手にする二眼レフに注目です。
パパラッチのカメラと言ったら「機動力」が勝負なのに、
50年前は、何と二眼レフが主力機種だったんですね。
TVの料理番組で、お魚を焼くのに七輪を使っているような驚きです。
あまりに可笑しかったので、私も真似してみました。
37年前に購入した二眼レフの”Mamiya C220 Professional”です。
こんな嵩張るカメラでパパラッチなんてできるんでしょうか?
実は私、4年ほど前に、この二眼レフでスナップ写真にトライしたことがあります。
以前、ブログにも掲載した次の写真です。
なかなかのシャッターチャンスでしょう?
その気になれば、大きく重いカメラでも機動的に使いこなせるかもしれません。
問題は、私が撮ると上品すぎる写真になってしまうことかな。
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