写真とカメラを趣味として、関連のアクセサリーなどに手を出していると、
「おお!こんなものを開発した技術者がいるんだ!」
と感激することがあります。
このミノックス専用の現像タンクも、そのような工夫に満ちた製品です。
古いものですが、オークションサイトで数千円で入手できます。
これを使ってみると、
この製品の考案者がアレコレ考えながら、そして楽しみながら、
現像タンクの設計をしたプロセスまで感じ取ることができます。
この製品はデイライト(Daylight)現像タンクと呼ばれるように、
全ての作業を明るいところで行うことができます。
その意味では、ダークバッグを必要とする35mmフィルムより扱い易いとも言えます。
その作業手順を以下に詳述します。(私自身の備忘録でもあります)
1.フィルムの取出しと準備
撮影後のフィルムカートリッジをカメラから取出した時の状態には、
次の三種類の状態があり得ます。
撮影が進むと、フィルムは左から右方向へ巻取られ、
規定枚数を撮影した普通の状態は「A」です。
ちょっと余分に撮ると「B」の状態になることもあります。
「C」は、フィルム長さに対して撮りすぎて、フィルムの後端部まで巻取られた状態です。
この全てを「B」の状態に持って行きます。
即ち、「A」の場合はフィルムの後端部が現れるまで、手動で少し右へ送ります。
「C」の場合は、面倒ですが、ダークバッグの中でカートリッジの蓋を開け、
フィルムを少し元に戻してあげることになります。
次は穴あけです。
この写真のように、フィルムを4〓5cmほど引き出し、
端から2cmの所へパンチ等で穴を開けます。
2.タンクへのセット
現像タンクの構成は次の写真のようになっています。
(ストップリングの使用は必須ではありません)
これを使った現像作業としては、まず、ドラムを蓋の中央に捩り込みます。
ドラム下端の金具がフィルムの取付け部です。
蓋の下側の出っ張りには、フィルムカートリッジが丁度はまります。
カートリッジから引き出したフィルム端部を、クリップと留め金に次のように止めます。
3.フィルムの巻き込み
このドラムと蓋をタンク本体へしっかり差し込みます。
この状態から、ドラムだけを反時計方向へ回転させます。
すると、タンクの中で、フィルムがカートリッジから引き出されて行きます。
フィルムが出切ると、それ以上回せなくなるので、そこで回転を止めます。
次の写真の状態になります。
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