ミノックスMinoxの三種の神器
2014-07-14


次の写真は当家にて秘蔵する「ミノックスMinox用の三種の神器」です。
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中央は有名なミノックスカメラですが、その両側が何か、分かる方は少ないと思います。
左側は「フィルム切り出し機」、右側は「現像タンク」です。
これらを特に秘蔵するに至った経緯は次のように要約できます。

時計研究家の秋本久志氏は、ミノックスカメラをオーバーホールした後、
「このカメラの中には、部品類がこれ以上改良の余地がないほど合理的にレイアウトされている」と語っています。(名機の肖像 Vol.9 ミノックスの奇跡 Minox)
実際、この「持ち重り」のする小さなカメラを手に取って眺めると、
中は見えなくても、その内部の凝縮感が金属の外皮を通して伝わってきます。
(人間も、その内面が顔に現れると言うでしょう?)

そんな前世紀の職人技に触れたくて、時々このミノックスを使ってみますが、
このカメラの生存環境はあと数年で間違いなく途絶えます。
というのは使用コストが高すぎて、完全に一部マニアの贅沢な遊びになっているからです。
市販のフィルムを使ってDPEに出せば、カラーでもモノクロでも、
フィルム代と現像引伸し代で合計三千円くらいかかります。
デジタルカメラならランニングコストはほぼゼロ円ですから比較になりません。

でも、そんな理由でこのカメラが単なる「お飾りコレクション」になってしまうのは、
私には耐えられません。
それで、少なくとも私が生きている間くらいは、
時々でも使い続けられる環境を整えたのです。
簡単に言うと、35mmフィルムからミノックス用のフィルムを切り出す「フィルム切り出し機(film slitter)」を買い求めたということです。
35mmフィルムはまだ多くの方が愛用しているので、今後数十年は供給されると思います。
それにフィルム代も随分安く済みます。
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左が市販の30枚撮りミノックス用フィルムで送料込み約1,000円です。
それに対して、右側の35mmフィルムは一本約440円で、
これから4本のミノックス用フィルムが作れます。
一本当り約100円と市販品の1/10になります。(カラーもモノクロも同様です)
この製造方法は備忘録も兼ねて(次回)に詳述するつもりです。

また、フィルム現像からデジタル化まで、撮影後の処理方法も考える必要があります。
現在、DPE店でミノックスフィルムを同時プリントに出すと、
次の写真のような状況で上がってきます。
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そして、ミノックスカメラから最良の画像データを得る簡便にして最も合理的な方法は、
これまで何通りか試した結果から判断すると、
DPE店に上記の同時プリント迄を依頼し、それを自宅のスキャナで読み込む方法です。
但し、この方法では30枚撮りのフィルムの場合、DPE代として約2,000円かかります。
また近い将来、ミノックスフィルムを受け付けてくれるラボは消滅するはずです。
となると、この際、画質については若干妥協しても、
自家現像と自家スキャンによる方法も確立しておく必要があります。

それで、最初の写真で右側に写っている「ミノックス専用の現像タンク」を購入した訳です。
(現像まで出来れば、スキャナやデジカメを用いて画像のデジタル化は一応可能です)
それに、この専用現像タンクは、現像液の使用量も極少で済むエコなタンクです。
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[カメラには名前あり]

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