五十年前の松島
2018-11-05


前回)からの続きです。

毛越寺の庭園しか記憶に残っていなかった中学の修学旅行、
そのアルバムの中にある次の一枚。
禺画像]
ちょうど画面に入りきる大きさの島の写真です。
これを見たら、誰でも、
「足を延ばして、松島まで行ったんだろうな」
と推測できます。
更に進んで、何という島か特定できれば、
私の記憶の有無にかかわらず、「修学旅行で松島に行ったんだ」と、
中学時代の思い出を作り直しても良さそうです。
しかし、大小無数にある島の中から、
「そうだ、この島だ!」
と特定できるような写真を、
各種資料の中から見つける事は容易ではありません。
だからという訳ではありませんが、
松島海岸からの遊覧船に乗ってみることにしました。
禺画像]
この遊覧船のチラシを見る限り、
船から見える島の数って、全体の数十分の一程度しか無さそうです。
ということは、冷静に考えてみれば、
写真の島を発見する確率は、せいぜい2〓3%くらいでしょうか。

それでも、50年前と「そっくりな写真」が撮れたら楽しいだろうな、と
わずかな期待を持って、ズームレンズの焦点距離を50mmに合わせました。
中学生当時、私が持っていた唯一のレンズは標準レンズですから、
ほぼその焦点距離に合わせた訳です。
そして撮影した写真は次の30枚。
禺画像]
結果として、この中には、ちょうど画面一杯に収まる大きさで、
しかも形の似ている島はありませんでした。
とはいえ、昔と同じ航路を取ったとは限らず、
船と島との距離は一定ではありませんから、
30枚の写真について「昔の島は写っていなかった」とは言い切れません。

今度は、島全体の雰囲気とか、
海面に接する岩場の形状とかに着目して、再度眺めていると、
一枚の写真が気になりました。
禺画像]
何となく似た感じの島ではあります。
念のため、画面からはみ出している左右部分の写真と合わせて、
三枚から一枚の写真に合成してみると、次のようになりました。
禺画像]
随分と横長に大きい島なので、これは違う島かな、と諦めつつ、
一応GPSの位置情報による撮影場所を確認してみました。
次のMAPの黄色い吹き出しのあるところです。
禺画像]
私は船の進行方向左側に座っていたので、撮影方向は矢印の通りです。
すると、その方向にある島は、
何やらブーメランのような「く」の字型をしていました。
「という事は、通り過ぎてから見返しで撮影すれば、
 島の右半分だけが写るじゃないか!」
と気がつきました。
右半分だけなら、かなりの「そっくりさん」です。
遊覧コースの図を拡大して、当該部分を表示するとこうなります。
禺画像]

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