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前回)からの続きです。
ベビーローライの弱点とも言える「部分ボケ」を防止するため、
フィルムガイドローラーを付け足しました。
注射針の流用です。
この自家製ローラーを手でつまんで回すと一応回転します。
ただし、フィルムの巻き上げに伴って回転するかはやや疑問です。
それでも注射針の表面はメッキがされているので、
フィルムの膜面がこすれても、傷がつくことはないと思いました。
それで早速12枚を試写して現像。
結果はおおむね良好でした。
基本的には次のようにきちんとした写りです。
ただ次の写真のように、
中央部がちょっと部分ボケかな?と思わせるのが一枚ありました。
127フィルム(ベスト版)は、120(ブローニー)に比べると、
スプール(巻軸)が細いため、巻き癖が強めになります。
その結果、フィルムの内部応力が強く残り、
平面性の保持困難 → 中央部ボケの発生
こうなるのかもしれません。
試しに、次のような実験をしました。
ブローニーフィルムをマミヤ645の中枠にセットして、
周囲を次のように押さえ込みます。
この状態は、まさに撮影時のフィルムの状態ですが、
残念ながら、中央部がレンズ側に少しはらんでいます。
結論としては、
注射針のガイドローラを追加して、
部分ボケ防止についてはそれなりの成果を得ましたが、
根絶するまでには至らなかった、と言えるでしょうか。
そして私の場合、
既に興味の対象は「ガイドローラー」自体に移ってしまいました。
いかにして完璧なローラーを造るか、です。
写真の写りよりも、ローラーの完成度が興味の対象になったわけです。
熟考の末、見つけたのが次の「ししゅう針」です。
1.4mmφの注射針の中に次のように針を仕込みます。
左右は1.02mmの針の先端のテーパー部分だけをカットしたものです。
中央は0.86mmの針で、補強目的で入れました。
完成形は次の写真です。
このようにローラーと軸を一体化するのが「みそ」です。
この場合、ボディと接するのは先端ばりの一部分だけですから、
回転するときの摩擦力は大幅に低下するはずです。
これを「軸一体回転型」とでも名付ければ、
これまでの
は「軸固定型」と呼べますね。
いずれにせよ、ローラーが軽快に回るためには、
・ブレない軸をつくること。
・回転部と固定部間の摩擦力を最小にすること。
この二点が重要です。
今回の針ローラーは、その条件を満たしています。
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