ベビーローライ改造でピンボケ防止(4)
2017-04-21


前回)からの続きです。

ベビーローライの弱点とも言える「部分ボケ」を防止するため、
フィルムガイドローラーを付け足しました。
注射針の流用です。
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この自家製ローラーを手でつまんで回すと一応回転します。
ただし、フィルムの巻き上げに伴って回転するかはやや疑問です。
それでも注射針の表面はメッキがされているので、
フィルムの膜面がこすれても、傷がつくことはないと思いました。
それで早速12枚を試写して現像。

結果はおおむね良好でした。
基本的には次のようにきちんとした写りです。
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ただ次の写真のように、
中央部がちょっと部分ボケかな?と思わせるのが一枚ありました。
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127フィルム(ベスト版)は、120(ブローニー)に比べると、
スプール(巻軸)が細いため、巻き癖が強めになります。
その結果、フィルムの内部応力が強く残り、
平面性の保持困難 → 中央部ボケの発生
こうなるのかもしれません。
試しに、次のような実験をしました。
ブローニーフィルムをマミヤ645の中枠にセットして、
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周囲を次のように押さえ込みます。
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この状態は、まさに撮影時のフィルムの状態ですが、
残念ながら、中央部がレンズ側に少しはらんでいます。

結論としては、
注射針のガイドローラを追加して、
部分ボケ防止についてはそれなりの成果を得ましたが、
根絶するまでには至らなかった、と言えるでしょうか。

そして私の場合、
既に興味の対象は「ガイドローラー」自体に移ってしまいました。
いかにして完璧なローラーを造るか、です。
写真の写りよりも、ローラーの完成度が興味の対象になったわけです。
熟考の末、見つけたのが次の「ししゅう針」です。
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1.4mmφの注射針の中に次のように針を仕込みます。
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左右は1.02mmの針の先端のテーパー部分だけをカットしたものです。
中央は0.86mmの針で、補強目的で入れました。
完成形は次の写真です。
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このようにローラーと軸を一体化するのが「みそ」です。
この場合、ボディと接するのは先端ばりの一部分だけですから、
回転するときの摩擦力は大幅に低下するはずです。
これを「軸一体回転型」とでも名付ければ、
これまでの
禺画像]
は「軸固定型」と呼べますね。
いずれにせよ、ローラーが軽快に回るためには、
・ブレない軸をつくること。
・回転部と固定部間の摩擦力を最小にすること。
この二点が重要です。
今回の針ローラーは、その条件を満たしています。

禺画像]

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[カメラには名前あり]

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