ベビーローライ改造でピンボケ防止(3)
2017-04-16


前回)からの続きです。

ベビーローライのフィルムガイドローラーは、
完全円筒形ではありませんでした。
その欠点を補うために、
手持ちのエアダスターの「ノズル」パイプを次の箇所
禺画像]
に置いたのですが、これが猿知恵で、見事に失敗しました。
ローライ売り物のオートマットが効かなかったのです。
その原因を探ってみることにしました。

これまで得た知識をもとに、カメラの概念図を書きました。
禺画像]
ピント面(ガイド)レールより、圧板押えの位置が高いため、
ピント面レールと圧板の間には約0.4mmの隙間ができます。
このトンネルのような隙間をフィルムが通っていくのですが、
フィルムの端部では、フィルムと遮光紙に段差があるので、
この段差がフィルム検知用突起(フィルムフィーラー)を蹴飛ばします。
これで、オートマット機構が目覚めます。

これに対して、ノズルが置かれた状態は次のようになります。
禺画像]
ノズルの直径は2.4mmでした。
これが置かれることにより、圧板が正規の位置まで届かず、
ピント面レールと圧板の隙間が広がります。
ということは、フィルムと遮光紙の段差も、
突起に引っかからずに通過できてしまいます。
だからオートマットは機能しなかったわけですね。

原因を突き止めたからには、解決方法も見つけたいです。
今度はもっと細いガイドローラー代替品を探しました。
そして見つけたのが次の注射器でした。
禺画像]
”Can-Do"の女性用化粧道具売り場にありました。百円です。
隣のビニール袋は鉄道模型レイアウト製作用の虫ピンです。
これらを、次の写真のように組み合わせます。
禺画像]
注射針は直径1.4mmです。これを4.4cmほどの長さに切ります。
その両端に頭を落とした虫ピンを差し、
虫ピンを軸として針を回転させることを考えました。

ただし、この針ローラーを望ましい位置に設置するためには、
ベビーローライのボディをちょっと彫り込まねばなりませんでした。
「貴婦人」のようなカメラを傷物にするのは心が痛みましたが、
ヤスリを使ってギコギコ彫り込みました。
(数万円の骨董品が市場価値ゼロ円になったわけです)
そして、ローラーを、彫り込んだ溝に落とし込みました。
禺画像]
両端の虫ピンを瞬間接着材でボディに固定すれば完成です。
この状態を断面図にすると次のようになります。
禺画像]
「完璧!!」なはず。
これで、またまた試写しました。

続く
[カメラには名前あり]

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