ベビーローライ改造でピンボケ防止(1)
2017-04-04


先月のブログ記事「無改造ベビーローライに35mmフィルム1」で、
このカメラ入手後の初試写の時に、
一応綺麗に撮れたが問題点もあったことを書きました。
その問題は何かというと、「部分ボケ」です。
12枚撮りのうち2枚にこれが発生しました。

普通に撮れれば、
禺画像]
このようにきめ細かい画像です。
ところが、12コマのうち5・6枚目が、次のような状況でした。
禺画像]

禺画像]
一見、単なるピンボケのように見えますが、
よく見ると、周辺部はそれなりにピントが来ていて、
中央部だけが縦に広い範囲でボケている状態です。
最初は、スキャン時のフィルムの平面性を疑いました。
それで、フィルム面を表にしたり裏にしたり、
あるいはガラスで押さえたりしてスキャンしましたが、
結果は変わりませんでした。
ということは撮影時にすでにピントが甘くなっていた、
と結論付けざるを得ません。

今度はカメラを仔細に眺めてみました。
それで思ったこと。
「ベビーローライはフィルムの平面性保持が苦手かもしれない」。
その理由を、次の写真で説明します。
禺画像]
撮影窓の上下枠の外側にある「ガイドローラー」に着目しました。
この形状が、完全な円筒ではありません。
中央部が端部より細くなっています。
フィルムの正しい位置=焦点面は、
「ピント面レール」と「圧板」に挟まれた位置ですから、
このローラーの中央部は焦点面よりも少しレンズ側にあります。
ということは、
フィルムに対して次の写真のような力が加わると、
禺画像]
フィルムはこれに抵抗できずに、レンズ側に湾曲してしまいます。
そして、例えば無限遠の風景に焦点を合わせて撮影すると、
この歪んだ部分はオーバーインフとなって、ボケてしまいます。
ただし、左右両サイドはピント面レールと圧板に挟まれているので、
正規の焦点位置にとどまりボケない、と考えられます。
上下端も一応「枠」があるので、腹み量は1mm弱にとどまるはずで、
これも画像上下端のピンボケ度は少ない、という結果と一致します。

これまでブローニーフィルムを使ってきて、
このような部分ボケを経験したことはありません。
確かに次の写真の、
フジカ FUJICA GS645(左)やマミヤ Mamiya C220(右)においては、
禺画像]
フィルムの送り側と受け側(巻取り側)に、
完全な円筒上のガイドローラーが付いています。
もちろん、ベビーローライの兄貴分の
6x6ローライフレックスにも装備されているようです。
すると、このベビーローライは、その点ではやっぱりベビーなの?

続く
[カメラには名前あり]

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