秘境駅「稲梓」に無人の名刹(2)
2017-01-28


前回)からの続きです。

地元の女性の言った通り、
約10分ほど歩くと「米山薬師」の案内板が出てきました。
[画像]
入り口近くの縁起書によれば、この伊豆・稲梓の薬師は、
日本三薬師の一つに挙げられる名刹とのことです。
ともかく、国道から細い階段を登りました。
[画像]
20段ほど登ったところに、次の写真の雨戸の閉まった家屋がありました。
住職さんの住まう「庫裏」というにはちょっとみすぼらしい感じ。
物置小屋かな、と思いました。
[画像]
その小屋の奥に、また階段がありました。
階段があれば、とりあえず登らざるをえないですね。
それに、一体どこにお堂があるのか、分かりませんでしたから。
「この山の頂上にあるのかな?」

すると、目の前に案内標識が立てられていました。
[画像]
山頂まで、378mだそうです。そこにお堂があるのでしょう。
結構、というよりもかなり険しい山道に見えますが、
距離的には、ゴルフのミドルホール一つ分くらいですね。
ここまで来て、今更引き返すわけにはいかないので、
渋る女房を追い立てるようにして登り始めました。
[画像]

しばらくの間、女房を励ましながら登って行くと、また標識があり、
[画像]
何と「山頂はまだ250mも先」なのだと。
「ええ〓!、まだ半分も来てないじゃない。もうイヤ!」と、
私の判断の理不尽さに女房は眼を三角にしました。
その女房をなだめすかし、再度、山頂を目指すことに。
途中では誰ともすれ違いませんでした。
何しろ「秘境駅稲梓」の名所だから。
そして約30分ほどかけて、何とか登り切りました。
次の写真が登山道の最後の部分の見返しです。
[画像]
丁度、雲の切れ目から陽が差してきました。
[画像]
山頂に建てられていたのは、小ぶりで質素だけれども上品なお堂。
[画像]
翌年の無病息災をお祈りしてきましたよ。
それにしても、稲梓の駅下から米山薬師まで10分、という
地元の女性の案内は何だったのでしょうね。
「きっと登り口までの時間を言ってたんじゃないか?」
と結論づけました。

その後、路線バスで伊豆下田まで行き昼食。
夕方にホテルへ戻り、ネットで米山薬師について調べました。
すると、こんな真実が明らかになりました。
私たちが本堂と思ってお参りしたのは、そうではありませんでした。
確かに、先ほどの距離標識をよく見ると、
「奥の院まで」と書いてあったのですね。
[画像]
そして、私がみすぼらしい物置小屋と思った建物が本堂だったのです。
これですね。

続きを読む

[旅のつれづれ]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
 powered by ASAHIネット