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前回)からの続きです。
長崎旅行の途中、市内から少し遠出をして温泉につかることにしました。
行き先は雲仙です。長崎駅前バスターミナルを出発し、
橘湾の風景を眺めながら1時間40分ほど。
到着したバス停からは、間近に迫る山並みをバックに白い噴煙が見え、
いかにも雲仙です。
そして、ここが映画「君の名は」の舞台でもあることを思い出させます。
約60年前、映画の中では次のような風景です。
今もこの雰囲気が少しばかり残っているでしょう?
映画では、この雲仙の街に、春樹との愛に悩む真知子が逃げてくるのでした。
真知子は長年思い続けた春樹と結ばれることを望んでいますが、
現在の夫である浜口勝則が、嫉妬から離婚に同意しないのです。
それで勝則の心が冷静になるまでと、
しばらく東京を離れ雲仙のホテルで働くことにしたのです。
ところで、雲仙と言えば「地獄」で有名ですね。
私が宿泊したホテルのすぐ脇に、その「雲仙地獄」が広がっていました。
地獄の入口から少し歩くと「君の名は」の真知子にちなんだ岩がありました。
この真知子岩の由来、映画の次のシーンですかね。
「真知子が春樹以外の男性と結婚するならば離婚を認める」
という夫の勝則が出してきた法外?な条件を、
真知子が知人の男性から告げられる場面です。
美しい真知子(岸惠子)と背後のゴツい岩の対比が面白いです。
モノクロの画像を見ると、噴煙の様子が本当に地獄のようです。
映画の中で、真知子の姿が噴煙にかすむ場面がありました。
美しいでしょう?
雲仙では「夜目、遠目、湯気の内」という諺がありそうですね。
私も真似してみました。
ところで、この地獄は甘美な愛のドラマの舞台だけではないですよ。
雲仙地獄には、色々な名前の地獄があるのですが、
真知子岩の近くに「お糸地獄」なる束柱が立っていました。
説明文によると、
「お糸とは、島原城下で裕福な暮らしを送りながら、
密通をしたあげく夫を殺してしまった女性の名前で、
彼女が処刑されてこの地獄が出現した」そうです。
さて、そんな地獄巡りと温泉を楽しんだ翌朝、またバスで長崎に戻りました。
バス停から長崎方面の道路を眺めると次のようです。
帰路、この噴煙の中にバスは突っ込んでいくのです。
そしてバスに乗車し、噴煙のただ中を通過する時、
バスの窓から、美しい女性と思われる人影がみえました。
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