オリンパスペンのピント調整
2013-04-22


前回)からの続きです。

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写真はオリンパスペンの修理の最終段階、
ピントのチェックをしているところです。
この作業が必要となるのはこういう訳です。

まず、下の写真は分解中のカメラ前面です。
鏡胴部分に、シャッタースピードリングと距離リングがついています。
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次は距離リングの取付けネジを緩めて、リングを外した状態です。
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そしてレンズユニットを外した状態。ヘリコイドネジが見えています。
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距離リングを回すと、それと一体となったレンズユニットも回転し、
ヘリコイドネジによって前後して適切なピントが得られる仕組みです。

このようにしてレンズ清掃のためにバラしたのですが、
掃除が済んで組み立てる時、距離リングとレンズユニットの合体位置は
「ここ!」と自動的には決まりません。
つまり調整幅があり、その中のどこでも取付けネジを締めることは可能です。
フィルム面に無限遠の像が結ばれる位置を自分で確認し、
その正しい位置で取付けネジを締める必要があります。

私が教科書としている「カメラの修理&メンテナンス」では、無限遠チェック用として
焦点板とルーペを使った手作りの調整用工具が紹介されていました。
でも、それに使えそうなルーペって結構お値段が高いのです。
それで身の回りにある物で何とかならないかと知恵を絞りました。

これが良い!と思いついたのは一眼レフの部品です。
下の写真は、修理用に購入したPentaxS2の上蓋を外した状態です。
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この中央部のプリズムユニットを取り出しました。
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次は逆側からの写真です。
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これなら焦点板とルーペが一体となっているので、工作せずとも、このまま使えます。
焦点板をフィルム面に押し当てればピントが正確にチェックできるはずです。

と、喜んだら、やっぱり問題がありました。
このユニットを分解した写真です。
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中央のスリガラス状の部分が焦点面のはずです。
しかし、その左側にある金属枠と透明のフレネルレンズが、
焦点面の外側に来る部品になりますから、この厚みの分だけ、
焦点面が本来のフィルム面よりも離れてセットされてしまいます。

もう一ひねりしました。
我家には分解練習用に購入したNikonFがあります。その焦点板を取り出しました。
この焦点板は一番外側の焦点面がむき出しになっているのです。
NikonFとPentaxS2の使える部分を抜き出すとこうなります。
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これを張り合わせて、下の写真の朱塗りの部分に押し当てます。
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[カメラには名前あり]

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