業務上必要があって写真を撮る人は、普通
露出もピントも全自動のデジタルカメラを使うでしょう。
私もそうします。
そういう時代に、特に好んでマニュアルフォーカスのレンズを使用するのは
やはり、昔馴染んだ「手ざわり感・操作感」が忘れられないからだと思います。
そこで一番大事なのはフォーカスリングの手応えです。
軽すぎず重すぎず、適度な抵抗感があるのが良いです。
先日、ジャンクで入手したニコンの望遠レンズ200mm/f4は
グリースが抜けてしまって、ピントリングが「超軽」でした。
いわゆるスカスカ状態です。
古いニコンレンズに良くある症状です。
実用上はそれほど支障がありませんが、使う喜びが半減します。
(だいたいこの手のレンズを実用に使うことは今時あり得ません)
ほとんどタダ当然だった気楽さもあり、素人修理に取り組んでみました。
今回は参考事例が見当たらなかったので、少ない経験を生かして試行錯誤です。
以下、備忘録代わりに写真と共に手順を示します。
まず、近距離側にピントを合わせて鏡胴を露出させ、写真中央のセットネジを取ります。
前玉ユニットを丸ごと捩って外します。
フォーカスリングにはまっているゴムリングを脱がせると、
根元側にネジが3本あるので、これを外します。
フォーカスリングをスポッと引き抜きます。
中央の輪っかをまわすと両側のヘリコイドが露出しますので、
外れる一歩手前まで回します。
外れてしまったら、あわてて戻します。
劣化した古いグリースをティッシュで拭き取ります。
完璧は求めないので、できる範囲だけやります。
交換用のグリースを用意します。普通は10番だけで良いでしょう。
私は若干硬めが好きなので、30番を少し足します。
色といい粘度といいオロナインにそっくりです。
値段も化粧品並みに高く、レンズ本体よりもグリースに金が掛かりました。
実際、オロナインで代用しても良いそうです(真偽のほどは分かりません)
綿棒でヘリコイド部分に塗り、鏡胴を何回か回して馴染ませます。
せっかくなので、レンズも清掃します。
カニ目レンチを使ってレンズ押さえのリングを外します。
筒の奥にあるレンズを出し入れするためのレンズサッカーも買いました。
このようにリフティングできるので重宝します。
修理道具を揃えていくのも楽しみの一つです。
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