昨日、1975年の鬼子母神境内の風景をながめて懐古趣味に浸っていましたが、ふと、この気分が引き起こされるのは当時使用していたフィルムの特性によるのではないか、と気がつきました。それでフィルムスリーブに保管されている当該フィルムを確認したところ、やはり「KODAK TRI X PAN FILM」と書いてありました。この高感度フィルムはその粒状性に特徴がありました。
ピントが来ている被写体の明瞭性に比較して、背景のボケている部分がややざらついた感じになっていて、この粒状性が不思議な気分を引き起こすのだと思います。また、ASA400という高感度のせいかラチチュードが広く暗部も切り捨てずに表現しています。長尺のロールを買って来てパトローネ一本分ずつ切り出していたのが懐かしいです。また、カメラは「ニコンF2」で、ここに載せた写真は多分標準50mmと広角35mmで撮影したものだと記憶しています。その後AFカメラの便利さに走ってしまったのでF2を使うことが無くなりましたが、今思うと「NikonF2+Tri-X」は最強の組み合わせでしたね。少女たちの純真な表情をうまく切り取ることが出来たと思っています。
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