もう四半世紀も前のことです。
昭和が終わって数年経った頃の秋の一日、
私は英虞湾は賢島近くの無人島にお忍び旅行をしました。

真珠養殖のための筏が良い風情ですね。
島には、赤い丸ポストや、

郵便局が、昔のままの佇まいで、歴史の証人のように残されていました。

利用する人は誰もいません。何しろ無人島だから。

その赤丸ポストの脇のゆるやかな石段を登りました。

途中には打ち捨てられた古井戸がありました。

でも瓦屋根はまだ綺麗です。

私が目指したのは次の写真で左端に写っている建物。

眺めの良い高台にある、古い和風の建物です。
建物内は格式高い意匠です。

床の間左にある天袋と筆返し付の違い棚に注目！
海側には次の写真のように開放的な広縁がありました。

シンプルで上品な机と椅子に注目！
人里離れて眺める伊勢志摩の海、心が落ち着きます。

さて、たった一度のお忍び旅行ですが、忘れがたい経験でした。
もう二度とあんな風景を見ることは無いだろう、と思っていました。
そしたら、何と！
先週のこと、TVの「ブラタモリ」であっけなく再会。
以下は、その再会の様子です。

タモリさんが目指したのは次の赤矢印の建物。
二つ並んだ建物のうち左側ですね。

お出迎えの人の奥に例の赤丸ポスト。

赤丸ポストの脇には例のゆるやかな石段。

古井戸の屋根も次のように映っていました。

そして建物に到着。

昭和天皇もお休みになられた室内の写真が次です。
その右側に例の違い棚。

違い棚は、広縁から室内を写した次の写真でも確認できますね。

そして広縁の前に広がる絶景。