それを外すと、内カバーが外れて、主要機構が露出します。
次の写真で左側にある銀色プレート部分がスローガバナーです。
この個体はガバナーの動きが重く、そのため
単速の1/200でしかシャッターが切れなかったのでした。
これを外して、ブロックごとベンジンに浸けました。
こうして一時間ほど浸してから、
シャカシャカと揺すって洗うと、元の機能がよみがえりました。
これでシャッタースピードは、B、1/2〓1/100連続可変、1/200が選べます。
さて次が問題。
ピンボケの理由です。このカメラは、
前玉を回転させて前後させることによりピント調節をしています。
ところが、この写真で分かるとおり、
スプリングで引っ張っているにもかかわらず、
前玉が赤矢印の右方向に回転してくれません。
ヘリコイドが完全に固着していました。
次のようにヘリコイドのネジが見え過ぎです。
この前玉を外して、ヘリコイド部分を掃除しようとしましたが、
どんなに力を入れても回りませんでした。
それで、禁断の「KURE CRC 5-56」の登場です。
ヘリコイドのネジ部分に流し込み待つこと数時間、
ペンチで挟んで思い切り回すと、やっと外れました。
しかし周辺は「KURE CRC 5-56」でびっしょり。
やむを得ず、本体からレンズユニットを纏めて外しました。
この写真は既に中玉レンズは外したところですが、
その他、すべての部品を分解してアルコールで洗わざるを得ません。
まず絞り板を一枚抜き取り、
二枚目も抜き取り、
最後は次のようにシャッター羽根(雲形の薄板)も外して清掃。
部品相互の位置関係を間違えないよう、また、
シャッター羽根の取付軸部のワッシャーなども忘れないように、
しつこく写真を撮りました。
そしてシャッター絞り機構部分の再組み立て完了。
これを組み込み、レンズや他の部品も取付け、カバーを閉じて完成!
のはずでしたが、実はまだ頂上は遥かに遠く、
ここまでは三合目程度に過ぎませんでした。
(
続く)
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