39セントの不思議なカメラ
2014-02-21


ミステリーゾーン(THE TWILIGHT ZONE)がついに第13巻まで発売されました。
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これまで同じ出版企画が二回ありながら、
それぞれ第4巻、第10巻で力尽きたことを考えると、大幅に記録更新です。
隔週の水曜日、本屋さんに買いに行くのが楽しみです。

その第13巻に不思議なカメラのエピソードがありました。
タイトルは「奇妙なカメラ(A Most Unusual Camera)」
こんな話です。
盗みを働く男女二人が、古美術商のお店から骨董品を多数盗んできました。
翌朝の新聞に、盗まれた物は、
・明王朝の壺二つ
・ルイ14世の燭台
・ピカソの油絵三枚
などと発表されますが、実は偽物ばかり。
ガラクタをつかまされて男は腹を立てます。
その他に盗品リストでは無視された時代物のカメラもありました。
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フィルムを入れる所もなく、見るからに古物、今で言えばジャンクです。
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「こんなものは、20年前に39セントで買えたぜ!」
と怒鳴った後、男は冗談まぎれにカメラを手に取り、
連れの女性を窓際に立たせて、シャッターボタンらしき物を押します。
しばらくするとカメラから手札大の印画紙が排出されます。
そこから不思議な物語の始まり.....
いつもながらロッド・サーリングの脚本は素晴らしいです。

私が興味を持ったのは、そのカメラのスリットから印画紙が出てくる様子です。
これがまるでポラロイドです。
このエピソードがCBSで初めて放送されたのが1960年12月16日、
その約10年前にポラロイドの初代機が発売されています。
ロッド・サーリングはポラロイドを見て、或は実際に使って、
このエピソードを構想したに違いありません。

ポラロイドと言えば、1980年代に当家でお世話になっていた歯医者さんは、
予防診療に行く度にポラロイドで撮影してくれました。
色あせてしまったけれど、30年前の写真が数枚、
日付も記入されていて、これがなかなか良い思い出写真です。
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ポラロイド社はデジタルへの取り組みが遅れて、2001年に倒産。
多くの人々の幸福の瞬間を「思い出」として記録したポラロイドカメラ自体が、
今や思い出になってしまいました。

一方、最近は富士フィルムの「チェキ」のように、
その場でプリントが出てくるカメラが、女子会などで密かなブームだそうです。
そういえば、「撮りたい時が見たい時」とかいうCMがありました。
宴会に参集した若い子たちが、プリントを見ながらはじける様子が目に浮かびます。

でも、その子たちが思わず凍りつくような写真が出てきたら面白いと思いませんか?
富士フィルムでもソニーでもいいから、そんな「奇妙なカメラ」を作らないかな。
[カメラには名前あり]

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